【ホノルル(米ハワイ州)14日(日本時間15日)=石橋隆雄】ソフトバンク内川聖一外野手(35)が、来季は4番で全試合出場する覚悟を口にした。優勝旅行先のハワイで、工藤監督が「ケガさえなければ」と来季も4番を内川に任せることを明言。今季は故障続きで不本意な成績に終わった内川も「幸せなこと」と感謝し、期待に応えて日本一連覇を導く意気込みだ。

 来季も4番は内川。優勝旅行先のハワイで、工藤監督が「ケガさえなければね」と明言した。指揮官の期待の大きさを知った内川は表情を引き締めた。

 内川 ありがたい話。そういうところを、任され続ける打者でありたい。幸せなこと。そう思ってもらえるために、まずはきちんと開幕のグラウンドに立つためにやらなきゃいけないことがある。

 CSと日本シリーズで4戦連発を含む5本の本塁打を放ったように、勝負強さ、技術の高さはチーム随一。柳田、デスパイネ、松田らを生かすのも4番内川あってこそだ。今季はデスパイネの加入もあり、打順が固まったのはオープン戦に入ってから。柳田も、4番候補だった。だが、来季は早々に工藤監督から4番に指名された。信頼の高さを感じ燃えないはずがなかった。

 今季は頸椎(けいつい)捻挫、左手親指骨折とケガに泣かされ、73試合の出場に終わった(4番は70試合)。全試合出場は13年に経験があるが、4番に定着した15年からは、まだない。目標はチームの89年の福岡移転後では日本人初となる「4番フル出場」だ。

 内川 オフになった時に、すべて納得できる方がいい。日本一は達成したが、個人的には物足りない。来年は満足できるものにしたい。

 来年は36歳になる。故障への不安を感じているからこそ、しっかり戦闘ボディーに仕上げて2月のキャンプインに臨むつもりだ。

 この日は球団主催のゴルフコンペを楽しんだ。「ハワイ旅行のようなご褒美は、すごくうれしい。また何回でも経験したいと思う。その気持ちをしっかり持ちたい」。日本一の喜びを知るからこそ、連覇への思いを強くする。4番内川がシーズンを通してスタメンで不動なら、工藤監督にとっても、チームにとっても頼もしい限りだ。

 ▼ソフトバンクの選手がシーズン全試合で先発4番に入ったのは、14年李大浩144試合以来。日本人では、南海時代の88年に門田博光が全130試合で務めて以来。内川が来季全143試合でスタメン4番となれば、89年の福岡移転後では日本人初となる。