中日福田永将内野手(29)が「年間フルスイング」を目指してバットを調整した。15日、岐阜・養老町のミズノ社バット工場を訪問。職人の名和民夫さんに、平均920グラムから10グラムほど軽量化する要望を伝えた。

 「今の型は2年間使ってだいぶ慣れてきた。何がいいかはやってみないと分からないけど、なるべく打ち方を変えたくないので、同じタイプのままで軽くしてみようかな、と。変更を少なくしていきたいので」

 シーズン中にバットが重く感じたり、不振の時はうまく扱えず、指1本分短く握ることもあったという。

 たかが10グラム、されど10グラム。長さは約85センチのままで、重心が先端寄りの形状は変わらない。バットに軽さを求めたのは1年間、主軸を務め上げるためだ。

 福田の真骨頂は、投手を震え上がらせる大きなスイング。これまでの控え扱いとは違い、今季途中から一気に主力にのし上がった。

 95試合、326打席、18本塁打など軒並みキャリアハイをマーク。来季目標に4番定着に掲げ、「チームの中心でやっていかないといけない」とまで言った。工房内に飾る絵馬には「自覚」と書いた。2年前は「覚醒」、昨年は「レギュラー奪取」。新バットには主軸の自覚がにじんでいる。

 くしくもこの日、今年中日で4番を打ったゲレーロの巨人入りが発表された。福田は以前から「いつまでも助っ人に頼るわけにいかない」と自らに重圧をかけてきた。新しい相棒を手に、143試合フルスイングを目指す。【柏原誠】