萩野と“共闘”で小山市の知名度アップだ! 阪神大山悠輔内野手(23)が27日、栃木・小山(おやま)市内で白鴎大学出身のプロ野球選手を応援する会「鴎球会」(おうきゅうかい)に参加。大学のある小山市から「小山評定ふるさと大使」に任命された。16年リオデジャネイロ五輪の男子競泳400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した同市出身の萩野公介(23=ブリヂストン)も同大使を務めており、同い年の2人が小山をビッグにしていく。

 おかえり~! そんな声が飛び交う歓迎ムードにも、大山は前だけを見て答えた。「プロになってあらためて(応援に)感謝しています。結果で恩返ししたいと思うので頑張りたい。応援してもらえるとうれしいので、まずは野球をしっかり頑張りたいです」。真剣なまなざしで、白鴎大を中心とした小山市関係者100人のエールに応えた。

 この日参加した「鴎球会」では、小山市から28人目の「小山評定ふるさと大使」に任命された。「関西では栃木県や小山市の認知度が低いと思う。僕が活躍することによって、名前が出ると思うので貢献していきたい」。東北新幹線の停車駅だが、関西では「小山」と聞いてもなじみが薄い。76年センバツで、公立の小山高校が旋風を巻き起こして準優勝したのは41年前のこと。小山をもっと有名に。大山が小山をビッグにすべく、決意を新たにした。

 同大使は男子競泳金メダリストの萩野や、世界柔道選手権66キロ級で3度も金メダルを獲得した海老沼匡(27)も務めている。小山市の大久保寿夫市長(69)は「萩野くんも海老沼くんも頑張っている。(大山も20年東京)オリンピックに一緒に出てくれたら最高だね。ふるさとみんなで応援して(出場を)願ってます」とエール。面識はないというが、同い年の萩野らとの“共闘”が恩返しになる。

 大山は「向こうは世界(レベル)ですから、僕はまだまだケタが違う。僕は僕なりにしっかり頑張ればいい。まずは来年頑張ります」と引き締めた。新人だった今季、球団53年ぶりに4番を任され、7本塁打もマークした大砲候補は、初めて迎えるオフにも慢心はない。来季について「数字ではなくて、自分の中での目標というのは、その時によってできる。達成できるように頑張ります」とコメント。目標は胸に秘めたが、小山で立てた誓いを実現すれば、大山自身ももっとビッグになる。【真柴健】

 ◆小山市(おやまし)栃木県南部の都市。同市のサイトによると、人口16万7591人(12月1日現在)は県庁所在地宇都宮市に次ぎ県内2位。JR東北新幹線や東北本線が市内を走り、東京都内と宇都宮市や東北地方を結ぶ交通の要衝。江川卓(元巨人)が市立小山中、広沢克実(元阪神など)が市内の小山高出身と、球界にも人材を輩出してい る。大久保寿夫市長。

 ◆小山評定ふるさと大使 文化や芸術などを全国に広めるため、栃木・小山市にゆかりある著名人が任命される。今回は阪神大山と、楽天岡島豪郎外野手(28)を新たに加え、28人となった。主な小山評定ふるさと大使は、萩野公介(水泳)、海老沼匡(柔道)、三遊亭円楽(落語家)、大場久美子(女優)、三田佳子(女優)、C&K(アーティスト)、飯原誉士(ヤクルト)、高谷裕亮(ソフトバンク)、成瀬善久(ロッテ)、広沢克実(元阪神)ら。