楽天の星野仙一球団副会長が4日午前5時25分に死去した。70歳だった。楽天の発表によると、星野氏は16年7月に急性膵炎(すいえん)を発症したことをきっかけに膵臓(すいぞう)がんであることが判明。その後、体調に波があったものの仕事に支障を来すことなく過ごしていた。

 医学ジャーナリストの松井宏夫氏は、膵臓(すいぞう)がんについて「がんの中で最も生存が難しく、検査でも見つけにくい病気」と話した。5年生存率(5年間がんが再発しなければ、完治したといわれる)は7%。年間の罹患(りかん)者数は約4万人で、死亡者数は年間約3万4000人にのぼる。

 膵臓がんの発見が難しい理由は、早期は全くの無症状であることや、背中側にあり、周りの臓器が検査の邪魔をしていることなどが挙げられる。「見つかったら末期の場合が多いが、最後まで普通の生活ができる人も多く、亡くなる1カ月前まで働く人もいる」という。

 大相撲の元横綱千代の富士も膵臓がんを患い、16年7月に61歳で死去。15年には症状を公表し、手術を受けていた。松井氏は、人や年齢によって違いはあるとしながらも「手術をしても助からないことが多い。治る状況ではなかったのかもしれない」と推測した。

 家系に2人以上、膵臓がんの人がいる場合、リスクは約7倍になる。「そのような家族歴の人が40歳を超えたら、年1回は腹部超音波(エコー)検査を受けた方がいい」と勧めた。