掛川市生まれで、ヤマハからドラフト1位で中日に入団した鈴木博志投手(20)のプロ1年目が幕を開けた。今月6日に入寮し、7日から新人合同自主トレがスタート。「開幕1軍」を目指す最速157キロ右腕の心境に、単独インタビューで迫った。

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 -いよいよプロ1年目がスタート

 鈴木 今は、厳しいキャンプをケガなく1軍で乗り越えることを考えています。「開幕1軍」という言葉しか頭にないです。

 -チーム内で意識する選手は

 鈴木 やっぱり、(浜松市出身の)鈴木翔太さんです。球団を盛り上げていくためにも、若手の投手が頑張らなくてはいけないですし、同じ「鈴木」で、同じ静岡県出身なので、いつか「鈴木リレー」ができたらと思います。

 -鈴木翔が先発で自分が抑え? 先輩の印象はどうでしたか

 鈴木 以前に対談させていただいたんですが、すごく優しくて、イケメンだと思いました。自分の考えをしっかり持っていて「お手本にする選手は?」とか聞かれた時も、「いません。自分のフォーム、考え方を信じてやっている」と答えていました。

 -一緒になるキャンプが楽しみですね

 鈴木 まず、プロの練習をすること自体が楽しみですが、自分のペースで無理しないように、オンとオフをしっかりしたい。ケガなく、1軍に残らなければ意味はないと思うので。

 -自分の武器になる直球について

 鈴木 真っすぐに関しては、プロの他の投手に比べても負けていないと思いますし、勝っている部分もあると思う。自信を持って、攻める気持ちでやっていきたいです。

 -大谷翔平投手(23=エンゼルス)が、マークした日本人最速記録165キロを期待する声も

 鈴木 「170キロを」とか言わされてますけど(笑い)。でも、言葉にしていれば、そこに勝手に近づいてくるんですよね。言っているうちに体も慣れてくるというか。ヤマハの時もそうでした。入社した時から、ずっと「150キロ」と宣言していたら、2年目の春に150キロ以上(152キロ)を投げられました。だから、言った方がいいのかなと思って。まずは「160キロ」ですかね。

 -将来的な目標はありますか

 鈴木 数字や記録を目指しても、力みになるだけだと思うので考えないです。新人王や、沢村賞、日本代表とかも、あくまで結果なので。今はまずチームのために、足元を見て、自分のやるべきことをしっかりやっていけば、結果は付いてくると思います。

 -プロで対戦してみたい打者は

 鈴木 DeNAの筒香(嘉智)選手(26)です。日本トップクラスの打者に自分の力がどれだけ通用するのか知りたいですし、トップレベルを知ることによって、自分の目標が変わってくると思います。口では「侍ジャパンを目指す」と言えても、実際にやってみないと、どれほどのものか分からないですし。体感することによって、自然とそこのレベルに合わせて頑張れるので。

 -憧れのレッドソックス守護神クレイグ・キンブレル(29)と同じ背番号「46」ですね

 鈴木 (日本人では)なかなかいない番号なので、「46番と言えば鈴木博志」といわれるようになりたいですね。ずっとつけ続ける気持ちで、自分の物にしたいです。イチロー選手の51番みたいに、みんなに好かれるような番号にしたいです。

 -あらためてヤマハへの思いは

 鈴木 本当に感謝の気持ちしかないです。(右肘)ケガをしていた僕を取ってくれて、長い目で見てくれました。1年目は体作りだけで、その1年で大きく成長できました。試合に出られない時も、会社の人がすごく応援してくれて。そういうこともあって、ここまで来られたと思います。

 -静岡のファンにメッセージは

 鈴木 隣の愛知県の球団ということで、これからも応援してほしいです。浜松球場での試合もあるので、見に来てほしいし、特に子どもたちに来てほしいです。自分が投げている時に「今、投げているピッチャーは(ヤマハ本拠の)浜松から行ったんだよ」と聞けば、野球に対する思いも変わってくると思うので。

 -では、浜松球場で「鈴木リレー」の実現を

 鈴木 そうですね。それができたら一番いいと思います。【取材・鈴木正章】