巨人が短期、長期計画を立て、覇権奪回を目指す。15日、都内でスタッフ会議を行い、今季の戦略などについて話した。昨年大きく負け越した広島戦、交流戦での巻き返しを短期目標として投手陣は規定投球回到達5人と優勝100%の法則を長期目標として据えた。高橋由伸監督(42)にとって勝負の3年目を1つの指針に向かって直進する。

 高橋監督の目指すべき道はクリアだった。約3時間のスタッフ会議を終え「目標は優勝することですし、我々に求められていることはチームを勝たせること。そこに向けてチームをつくるのが私たちの使命」と言った。若手育成も課題としてあるが、すべては4年ぶりのリーグ優勝が大前提としてある。

 短期的に解決しなければならない課題がある。昨季7勝18敗と完敗した広島戦、史上ワーストの13連敗の大半を喫し、6勝12敗と大きく沈んだ交流戦だ。指揮官は「1つ、2つの理由であれだけの一方的な数字になったとは思っていない。課題はたくさんある」と振り返った。村田ヘッドコーチは「カープを意識しながらやらないと。すぐに打てるようになるわけではないから。いかに失点を減らしながら」と指摘する。2つの戦いで背負った「借金17」を改善できれば、シーズン中の景色はガラッと変わる。

 昨季リーグ2位の防御率を誇った投手陣はロングスパンの目標設定で長丁場を戦う。斎藤投手総合コーチは「規定投球回の投手を5人つくる」と誓った。先発が長いイニングを投げ抜けば安定的な戦いを展開できる。菅野、田口はローテ当確。3番手以降に「畠もそうだし、今年は山口俊。やってくれるでしょう」と挙げ、FA加入の野上、移籍2年目の吉川光の名を並べた。巨人は過去5度「規定投球回クリア5人」を達成しているが、いずれもリーグ優勝を果たしている。先発で70勝、3失点以下を90試合以上で貯金40以上の具体的数字も指針として示した。

 昨年は史上初めてCS進出を逃し、就任3年目で勝負の年を迎える高橋監督は「新しい戦力を育てなければならないが、それ以上に勝たなければいけない」と締めた。名門再生の戦いが始まる。【広重竜太郎】