楽天ドラフト4位の渡辺佑樹投手(22=横浜商大)が、故郷山梨を背負う。16日、仙台市内の泉練習場で新人合同自主トレが行われ、1年目からの活躍を誓った。巨人松本哲也(33)が引退し、渡辺佑が山梨出身唯一のプロ野球選手となった。実家の窓からは世界遺産が一望できる最速144キロ左腕は「山梨出身は僕1人しかいない。地元の富士吉田市の観光大使になるぐらいに頑張らないと」と意気込んだ。

 球の出どころが見づらい左上手のフォームから力強い直球と、4種類の変化球を投げ込む。14日には、新人4投手で一番最後にブルペン入りし、捕手を立たせて36球を投げた。「まだまだだけど、中には良い球もあった」。地元の郷土料理、吉田うどん並みの粘り腰の投球に定評はあるが「実は讃岐うどんの方が好きなんです」と苦笑いした。

 富士山級の活躍を狙う。16年のドラフト9位左腕高梨は開幕1軍から「左殺し」の中継ぎとして定着。「高梨さんは同じ左でも、サイドなので自分とは違うタイプ。まずはしっかり左打者を抑えたい。先発を狙っているけど、どこでも投げます」。先発から中継ぎまで手広く対応する。対戦したい打者は、同じ山梨でしのぎを削った東海大甲府出身の日本ハム渡辺を挙げた。高3夏の準々決勝で対戦するはずが、3回戦で渡辺佑が涙をのんだ。「3年春に対戦しているんですけど、めっちゃ打たれた。お互い頑張って、次はしっかり抑えたい」。東北だけじゃない、山梨県民の思いも背負ってマウンドに立つ。【高橋洋平】