“重馬場”良好! 阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(22=仙台大)が18日、プロ初ブルペンで魅せた。鳴尾浜の新人合同自主トレで捕手を立たせて35球を投球。力は5~6分程度ながら、視察に訪れた矢野燿大2軍監督(49)から最速155キロを誇る重い真っすぐを高評価された。14日から2日間は体調不良で別メニュー調整を余儀なくされたが全開をアピール。金本知憲監督(49)もイチ押しのドラ1右腕に、ますます即戦力の期待が高まった。

 ドラ1の本格始動を控え、鳴尾浜はざわついていた。馬場がプロ入り後初めてブルペン入りする朝。視察に訪れた矢野2軍監督が捕手の後方に立ち、大挙した報道陣は網に張り付く。だが物々しい雰囲気の中でも、右腕は浮足立つことなく投球を開始した。小さなテークバックから、球の出どころが見えにくいフォーム。捕手を立たせて直球35球を投じた。力の入れ具合を「50~60(%)くらい」と振り返ったが、周囲からは高評価が相次いだ。

 矢野2軍監督は「球に力がある。落ち着いている。周りを気にする感じもないし、自分のペースを保ちながらやっている印象はあった。スケールの大きい投手を目指してほしい。その素材はあると思う」と納得顔。捕手役を務めた長坂も「軽く投げているように見えましたが、力があるように感じました。きれいな回転をしていて、球が重かったです」と表現。最速155キロ、即戦力の片りんを随所に発揮した上々の初ブルペンになった。

 14日からの2日間は体調不良で別メニュー調整を余儀なくされた。調整遅れも懸念されたが心配無用をアピールした。「プロの世界は(ボールの)回転数、キレ、伸びが大事になってくると思う。バッターからしたら、いつの間にか手元に来るような、そんな質を求めてやっていきたい」。投球後も表情を緩めない。そんな姿勢も頼もしく映る。

 すでに同期のドラフト5位谷川、ドラフト2位高橋遥、育成1位石井の3人は初ブルペンを完了。少しばかり出遅れ感もあったが、本人は落ち着いている。

 「これから段階を踏んでいく感じになると思います。まずは傾斜の角度やフォームなど自分の中で確認するポイントがいくつかあったので、そこを確認しながら。変に背伸びをしても僕は僕。自分の課題は目の前に必ずあるので、自分を大きく見せないで、やるべきことをしっかりやって投球をモノにしていきたい」

 金本監督もその素材にホレ込み、1軍キャンプスタートが内定。地に足をつけ、サクセスロードを1歩ずつ進む。【古財稜明】