打倒モイネロ! 楽天梨田昌孝監督(64)が、ソフトバンクが誇る左のセットアッパー対策として新任の金刃憲人打撃投手(33)に期待した。「モイネロが本当に打てなかった。何とかしないと。幸いにも金刃が打撃投手になってくれる。仮想で投げてもらってね」と話した。同打撃投手は06年ドラフト希望枠で巨人に入団。12年オフに楽天へ移籍し、通算216試合に登板した。サイド気味にフォームを変更して再起した器用な左腕を天敵に見立て、徹底的に打ち込む。

 モイネロは遅れ気味に出てくる左腕から、スピンの利いた直球と立体的に曲がり落ちるカーブを繰り出す。楽天は昨季9試合で打者32人が対戦し、9回1/3を無安打、17三振ともてあそばれた。夏場以降に台頭したモイネロと反比例するようにタカに勝てなくなった。天敵の攻略が優勝に直結しているとなれば、手を打つほかない。

 白羽の矢が立った同打撃投手は「傾斜のない場所で、近くから、打ちやすいように。違った難しさ、奥深さがある」と、新たな持ち場で懸命に練習中。「楽天に来て素晴らしい現役生活を送らせてもらった。モイネロ…研究します」と、恩返しを込め影武者を演じ切るつもりだ。【宮下敬至】