雨をも吹き飛ばす熱気だった。ソフトバンクA組投手陣11人が、キャンプ初日から全員ブルペン入り。しかも、全員が捕手を座らせての本格投球だった。工藤監督も「さすが」とうなる仕上がり具合で、早くも開幕投手、開幕ローテ争いのゴングが鳴らされた。

 先陣を切ったのは助っ人バンデンハーク、続いたのが最年長の和田だった。両者とも捕手のミットへ吸い込まれるような直球が次々に決まった。さらに開幕投手候補の東浜、千賀、ローテ有力の武田も投球。第6の先発を争う中田、石川、飯田も力強いボールを投げ込んだ。救援陣の岩崎、森、嘉弥真まで、総勢11人が高いレベルの仕上がり具合を見せつけた。東浜は「ユニホームを着て、最初のピッチング。いいブルペンになった。周りの球が速くて、すごいなと思ってペースが上がりそうになった」と高揚感を明かした。

 見守った工藤監督は「さすがにブルペンに入るだけはある。予想以上ですね。しかもみんな(捕手を)座らせて。早く作りすぎると心配だけど、良かったですね」と高評価。倉野投手統括コーチも「期待通り、というところは正直あります」とうなずく。日本一連覇へ、高い次元の競争で盤石の投手陣を固めていく。【山本大地】