ルーキーを卒業した各球団の2年生選手が7日、各キャンプ地で飛躍をアピールした。現時点で狙うのは、不動のレギュラー、開幕投手、1軍初出場…と十人十色。可能性に満ちた2年生は、それぞれの目標に向かって突き進む。

 果報は寝て待て! プロ2年目の楽天田中和基外野手(23)が、久米島キャンプでのフリー打撃で、ドラフト1位の近藤弘樹投手(22=岡山商大)から右翼場外弾をぶち込んだ。両翼100メートル、防球ネット約20メートルを軽々と越えた。追い風にも乗り、推定飛距離は145メートル。「たまたまです。風もありましたから。でも、いいスイングが出来ている感触はあります」と少し照れた。

 もう少しで東シナ海へ。スイッチヒッターの田中が左打席から放った打球は、球場を取り囲むビーチ手前の茂みの辺りで着弾。右翼後方で働く久米島町民のスタッフを「びっくりしましたね」と驚かせた。オリックス依田スコアラーからは「もともと持っている身体能力は高い」とポテンシャルを評価された。

 立たせていたバットを寝かせた。今年1月に、昨季まで楽天に所属していた西武松井との自主トレに参加。そこで、自分なりにスイングを変えた。「打つ時に頭が上がる癖があって、打撃が不安定になっていた。最初から寝かせていた方が、スイングも安定する。(松井)稼頭央さんからも『挑戦することはいいこと。やってみたら』と言ってもらって」と決断した。

 ルーキーイヤーの昨季は、俊足と強肩を武器に51試合に出場した。プロ1号もマークしたが、打率は1割1分1厘と悔しい結果に終わった。外野争いはペゲーロ、オコエ、島内、岡島らと、しのぎを削る。「結果を出して定位置をつかみたい」。じっくりと寝かせて、熟成させたスイングを放つ。【栗田尚樹】