阪神掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA、62)が9日、ヤクルトの沖縄・浦添キャンプを視察した。昨季限りで2軍監督を退任。新しい役職になってからの初仕事で、「評論家というか、そういう形で球場に足を運ぶのと、距離感が全然違いますね。自分の立場としてはある程度いい距離感をつくって、他球団を見なきゃいけないのかな」と気持ちを新たにした。

 昨季最下位でも、今年は分からない。真剣な表情で戦力を見極めた。メジャーから復帰した青木のフリー打撃が始まると腕を組んで見つめた。

 「青木君が入ったことで、打線がある程度組めるような形になってきているし、外野のポジション争いも激しくなってくる。バッティングを見てもうまくて強いよね」。日米通算2058安打の巧打者そのものに加え、加入による相乗効果も警戒した。

 ヤクルトの新体制にも要注意マークだ。新指揮官には習志野の2学年後輩にあたる小川監督が就任した。「小川監督も言ってたけど、ヤクルトはすごく変わろうとしているよね。(新コーチの)石井琢朗と宮本慎也の存在も大きいんじゃないの」。

 今後もセ・リーグを中心に各キャンプを視察する予定。新たな立場で阪神を支えていく。【古財稜明】