プロ6年目の楽天森が14日、韓国・KIAとの練習試合(金武)に先発し「歌舞伎+DeNA今永」投法で3回1安打無失点と結果を残した。これまでのセットポジションを取りやめ、ワインドアップから投球動作が始まった。目線を捕手からいったん外し、歌舞伎の「見え」のごとく一塁側へにらみを利かす。再び捕手を見つめ、ミット目がけて投げ込んだ。

 1月に同じ福岡出身の今永と初めて自主トレを行った。「自分は結果が出ていない。いろいろと聞く中でこれだと思って」と昨季11勝を挙げた同じ左腕からヒントを得た。体が前傾する癖が課題だった。目線を外すスタイルを採用し「一塁を見ることで、体が真っすぐ立っているか確認出来る。歌舞伎は、まあそうですね」と手応えはつかんでいるようだ。

 2回1死走者なしからは、3回先頭まで3者連続三振。制球難と言われてきた昨季までと違う姿を披露した。「結果が出たことはよかったけど、もっと直球のキレを上げないといけない」。先発ローテを争う中で、同じ左の辛島、塩見がライバルとなる。過去わずか3勝。「まずは左の中で1番にならないと」。開幕ローテの“舞台”を勝ち取り、最高の投球を演じる。【栗田尚樹】