阪神新外国人のディエゴ・モレノ投手(30=インディアンス)が下克上1軍へ強烈なアピール投球を披露した。15日の沖縄・宜野座キャンプでフリー打撃に初登板。多彩な変化球を誇り、ブルペンでは高速チェンジアップで注目を集めたが、この日は左の植田の膝元に食い込むカットボールで空振りを奪った。状況次第では1軍中継ぎ陣に取って代わる存在感を示した。

 陽川、植田を相手に投げ、通算31球で安打性は植田の1本だけ。カットボールを空振りさせられた植田は「速くて横に来る感じ。チェンジアップも速かったですね。定まってなくて、ぐちゃぐちゃと落ちる感じです」と軌道を証言。陽川も「カットもよかったし、まっすぐもチェンジアップもよかった」と振り返った。

 モレノも「空振りもバットを折ったのも、カットボール。カットボールもぼくの大事な武器だよ」と手応え十分。ヤンキース伝説の守護神リベラは、ほぼ速球とカットボールだけで歴代最多652セーブを挙げた。メジャーの世界で生きてきたモレノも、代名詞の変化球を持ち合わせている。

 モレノは、21日の練習試合の韓国・KIA戦で初実戦に臨む予定。金本監督は「(マテオ、ドリスへの)刺激になってほしい。どちらか休ませられたらベストだろうし」と期待する。初実戦でより光れば、下克上1軍が現実味を増す。【堀まどか】

 ◆ディエゴ・モレノ 1987年7月21日生まれ、ベネズエラ出身。06年にパイレーツに入団。ヤンキース移籍後の15年6月22日フィリーズ戦でメジャーデビュー。16年にレイズに、17年途中にインディアンスに移籍。メジャー通算9試合で1勝1敗、防御率5・06。185センチ、81キロ。右投げ右打ち。