ソフトバンク上林誠知外野手(22)が2年連続の紅白戦第1号を放った。キャンプ2度目の紅白戦が行われた18日、5回の第2打席で左腕笠原のスライダーを右中間芝生席へライナーでたたき込んだ。「初球もスライダーだったので、次も来るかなと。昨年も1号を打ったのは覚えていた」。体の開きが早くなっていたのを修正したばかりで、工藤監督が「昨年より打球が飛ぶようになった。体が大きくなったからかな」と目を丸くする強烈な打球だった。

 工藤監督は右翼を白紙とし、上林をはじめとする外野陣にレギュラーを競わせている。3月の侍ジャパン強化試合の候補にも選ばれている上林が最有力だが、結果を残さなければならない。2年前の16年もキャンプで期待されながらオープン戦で脱落した。「あの時は、何をどうしていいかが分からなかった。今は昨年の経験もある」と自信を持って臨んでいる。

 この日は父光行さんの53歳の誕生日。「今日は打つ気がしていた。よかったです」と父にアーチのプレゼントを贈った。15日から2日間、光行さんは弟の昌義さんと宮崎キャンプを訪れていた。夜は魚料理を3人で食べたという。誕生日弾を生で見ることはできなかったが、光行さんは「正月に帰ってきた時よりも大きくなっていました。最高にハッピーです」と喜んだ。

 苦手の左腕から打ったことも首脳陣への大きなアピールとなった。左の福田、城所だけでなく、対左腕になれば吉村、江川、さらに内野から川島も外野にまわるなど競争は激化する。「結果を出していくしかない」。キャンプイン時に90キロだった体重はわずか1キロ減と、ベストに近い体をキープしている。右翼上林を不動のものにするために、開幕まで大事な戦いが続く。【石橋隆雄】