ソフトバンク捕手陣が20日、非常事態に陥った。高谷裕亮捕手(36)が右肘関節炎を訴え、B組のリハビリ組行きが決定。栗原陵矢捕手(21)も特守で左肩を負傷し、宮崎市内の病院でCT検査を受けた結果、左肩関節前方脱臼と診断された。正妻の甲斐は元気だが、第2&第3捕手が同時離脱。残る捕手は全員1軍未経験で、工藤監督は急きょ川島、城所、曽根ら野手に捕手の練習を命じた。2人が長期離脱となれば、日本一軍団がトレードなどの緊急補強に迫られる。

 工藤ホークスが、悪夢に襲われた。別メニュー調整だった高谷が、右肘の関節炎でB組のリハビリ組に回ることが決定。さらに、栗原が全体練習後の特守でノックに飛び込んだ際に、左肩を負傷。関節前方脱臼と診断され、今日21日から同じくリハビリ組となった。

 正捕手の甲斐が元気とはいえ、ベテランの第2捕手、期待の第3捕手が相次いで離脱。工藤監督は「痛いですよ。痛くて、痛くて」と頭を抱えた。高谷は手術はせず保存療法での回復を目指す。森作戦コーチ兼バッテリーコーチ補佐は「塩をまかないと。栗原は肩が外れたので、しばらくは周囲が腫れるだろう。いるメンバーでやるしかない」と厳しい表情。川島、城所、さらには中学時代に捕手経験がある曽根にも、捕手練習を課す考えも示した。

 甲斐は昨季、ベストナイン&ゴールデングラブを受賞したが、出場103試合中、スタメンは80試合だけ。工藤監督は「甲斐1人でと、最終的に目指すところが早くなった」と表現し、成長とフル出場を願った。

 高谷、栗原が長期離脱となれば、現在A組の2年目九鬼、B組の張本、谷川原と1軍未経験しか残らない。昨季終了後に鶴岡(日本ハム)、斐紹(現山下=楽天)と2人の捕手を放出。今後、他球団との緊急トレードや育成捕手の堀内、樋越を昇格させるなどの補強も必要となってくる。

 侍ジャパンに選ばれている甲斐が、オーストラリア代表戦に臨む3月3日と4日のオープン戦の阪神戦(ヤフオクドーム)は、1軍未経験捕手陣で乗り切る必要に迫られる可能性が高い。工藤監督は「いい機会。失敗を恐れずアピールしてくれれば」と期待を込めたが、順調だったキャンプで想定外の事態が発生。連続日本一へ、開幕前に試練が訪れた。【石橋隆雄】