開幕スタメンへ猛アピールだ。ロッテが1、2番新人コンビの活躍で22日、中日との接戦を制した。初回、1番遊撃のドラフト2位、藤岡裕大内野手(24=トヨタ自動車)が初球を中前へ。続く左翼の同4位、菅野剛士外野手(24=日立製作所)が1ストライクから右中間三塁打を放ち、中日吉見から開始3球で先制した。就任後、初のNPB球団からの勝利に井口監督は「まだ打順も試している段階。今のところ好調ですね」と笑顔を隠さなかった。

 特に藤岡裕は、3回に山井の真ん中高めストレートを右中間後方へ放り込む対外試合1号ソロ。7回も二塁打を放つ3安打で「少しずつ自信が出てきました。ずっと開幕スタメンという気持ちでやってます」。17、18日の台湾・ラミゴ戦では先発でも代打でも安打、二盗で勝負強さを見せた。平沢、三木との正遊撃手争いにも1歩リード。井口監督は「チームの中で頭ひとつ抜けている」と絶賛した。

 菅野も負けていない。この日の2安打は右中間、左中間への三塁打。「野手の間を抜く、追い求める打球が打てた」と、いずれも藤岡裕を生還させた。東京6大学リーグの二塁打記録を持つミスターダブルは着々とトリプルへ進化。開幕戦でルーキー2人が同時に先発出場すれば、ロッテでは97年の小坂誠(現2軍内野守備走塁コーチ)&清水将海(現バッテリーコーチ)以来、21年ぶりになる。

 石垣島で残留調整を続ける荻野ら、上位打線候補は他にもいる。だが菅野は「藤岡の勢いに乗せてもらった。1、2番の働きとしては合格点と思う」と同期とのコンビネーションに自信を得た。藤岡裕は「出ないことには始まらない。開幕スタートするために、オープン戦まで結果を残していかないと」。2人で5安打3打点を稼いだフレッシュマンが、新生ロッテの起爆剤になっている。【鎌田良美】