侍入りの原点は昨秋CSにあった。1日から侍ジャパンの一員として始動した阪神大山悠輔内野手(23)が日刊スポーツのインタビューに応じ、胸中を激白した。理想の打撃は右方向への強打で、昨年10月17日のCSファーストS第3戦(甲子園)でDeNAウィーランドから放った右前適時打を「頭にも残るし、体でも覚えている」と表現。三塁守備に専念するプロ2年目に向けた、熱い思いを語った。明日3日の強化試合オーストラリア戦(ナゴヤドーム)で侍デビューを果たすことも判明した。【取材・構成=酒井俊作、真柴健】
大山が進化を強烈に印象づけたのは2月11日の練習試合DeNA戦だ。5回2死一、三塁。平田の外角速球をとらえると、痛烈なライナーで右中間を真っ二つ。逆方向に強振できる打撃に磨きがかかっていた。
大山 追い込まれるまではセンターから左の方向に強い当たりを打ち、追い込まれたら右方向というイメージを持っています。初球から右打ちばかりになってしまうと、どうしても振りが弱くなってしまう。追い込まれるまでは、しっかり強い打球を打ちたいです。
打席では「2段構え」で臨む。強振して引っ張り、しぶとく逆方向に打てる。沖縄・宜野座で1カ月間、大山が見せてきた姿だ。追い求めている理想がある。
大山 去年のCSのウィーランドからだと思いますが、あのタイムリーを打ったとき、追い込まれていた。本当にインコースのボールを右中間にきれいに打てました。あれは必ず生きて来ると思ったので、何回も映像で見ていますし、キャンプ中も、結構見たりしてます。あのイメージは忘れたくない。(昨季終盤は)すごくいい打席が多かった。頭でも残ってますし、体でも覚えている部分もある。
いいイメージを持って入った今キャンプは実戦8試合で29打数10安打、打率3割4分5厘。順調に滑り出した。昨秋CSでつかんだ手応えは、年明けに侍ジャパン入りを果たすきっかけにもなった。ルーキーだった1年前と別人のようだ。
大山 去年は右も左も分からないまま沖縄に来たので、1日1日、先輩や練習についていくのが必死だった。なかなか自分の考える時間ができなかったですね。去年よりは考えがブレなくなったというのが一番あると思います。去年は打てないからフォームをああしてこうして…。どうやったらいいのか。ほんとに訳も分からないまま変えていたけど、今年はある程度自分の中でこういうタイミングの取り方がいいというのがあります。「芯」というか、そこはしっかりあると思っていますね。
初体験の昨春キャンプは16打席無安打で発進と苦戦した。今春の充実ぶりは成長を物語っているが、自己評価は厳しい。
大山 50~60点ぐらいです。最初はよかったけど、実戦が増え、最近はもう本当にブレてますし、試合の中での修正ができていない。(2月24日)ヤクルト戦もボール球を打ってファーストフライ、セカンドフライ…。1打席目でダメだったら、それを修正できる力が必要です。去年からの課題ですけど、ミスショットが多いのでファウルが多い。あとはボール球を振りにいって、もったいない打席が多い。もっと高いレベルでやらないといけないですね。
自らに高いハードルを課すのは向上心の裏返しだろう。金本監督から「ポイントは前だ」と指摘され、飛距離増を目指してバットを振り込む日々を過ごすなか、肉体の変化に気づいた。
大山 下半身が張っているのは、使えてきているからだと思います。去年は下半身が疲れていないわけではないですけど、使えてない感じがしましたからね。
揺るぎない土台を築けば簡単には崩れない。「全試合出場」と色紙にしたためた好青年は語気を強めた。
大山 去年は半分ぐらいの出場でした。とにかく1年間、1軍にいるという意味も込めて全試合です。いろんな貢献の仕方があり、それに1つでも絡みたい。とにかく、まずは1年間1軍にいるのが最低限の目標です。その意味も込めて全試合出場と考えています。



