「暴れ馬」上等! 阪神金本知憲監督(49)が1日、今日2日から1軍に合流するドラフト2位高橋遥人投手(22=亜大)に「伸び伸び投球」を指令した。高橋遥は明日3日からのオープン戦ソフトバンク2連戦(ヤフオクドーム)で1軍デビューする見込み。指揮官は1イニング3四球まで認める方針を打ち出し、16年青柳、17年小野と同様に最速151キロ左腕を大きく育てる。

 珍指令は冗談ではない。小さくまとまってほしくない-。そんな思いが、金本監督の一言一句からにじみ出た。ドラフト2位左腕、高橋遥が今日2日の甲子園練習から1軍合流予定。1軍デビュー戦を控えた若虎に対し、指揮官は仰天の「暴れ馬指令」を出した。

 金本監督 1イニング、3四球までは大丈夫やな。伸び伸びやればいい。自分の家のように、庭のような感じやね、マウンドは。

 高橋遥は明日3日からのオープン戦・ソフトバンク2連戦中に1軍実戦デビューし、2イニング程度を投げる予定。ルーキーを襲う重圧を少しでも和らげようとする指揮官の“親心”、枠にはめることなく大きく育ってほしいという期待が異例の発言につながった。

 金本監督 (四球を出しても)全然、関係ない。見てみ、青柳を我慢する男やで、オレは(笑い)。3者連続四球でも黙って見てる私ですよ。ストライクゾーンにいい球を投げたら、細かいことは後からでいい。

 16年はドラフト5位ルーキー青柳の制球難に目をつむり、68回1/3で48四死球を我慢した。17年は同2位小野が78回2/3で45四死球を与えても使い続けた。就任3年目も素材が良ければ同様に、というわけだ。

 1月下旬にブルペン投球を視察した際には「伸び伸びとド真ん中に回転のいい球をドーンと。それだけでいい。あれ、打てないと思うよ」と絶賛した逸材だ。高橋遥は2軍高知キャンプで実戦計2回を投げ、1安打無失点。最速151キロを誇る直球の強さ、変化球のキレ味に誰もが目を見開いたという。

 金本監督 気になっていたし、見たら、やっぱりいいらしいよ。楽しみだね。変化球もいいらしい。高速スライダーで。

 現状、開幕ローテ確定はメッセンジャー、秋山、能見の3人。高橋遥も頭数に入れられたら…。そんな問いかけに、指揮官は「行けたらいいね」と笑顔だ。ダークホース高橋遥が博多から、荒々しく先発争いに参入する。【佐井陽介】