「ジョニデ対決」を制した。巨人岡本和真内野手(21)が、1軍戦自身初となる2試合連続本塁打を放った。2回2死一塁、幕張の風にも乗ってオープン戦2号2ラン。プロ1年目の1軍初昇格時に「ジョニー・デップです」とあいさつした若きスラッガーが、ハリウッドスターのジョニー・デップ似と評判のロッテ新外国人エドガー・オルモス投手(27=レッドソックス3A)から1発を含む2安打3打点で圧勝した。

 イケメン長身左腕の直球をかち上げた。岡本が2戦連続の快音を響かせた。2回2死一塁。長髪をなびかせ、ヒゲを蓄えたロッテ・オルモスを一振りで沈めた。「打てるところに来たら自分のスイングで仕留めていく。まだ、その確率が低い。(今日は)打てて良かった」。初対戦の投手からの一撃に、武骨な若き大砲は少しだけ手応えをのぞかせた。

 “ジョニデ対決”で18・44メートルの攻防を制した。プロ1年目の15年8月に1軍初昇格を果たすと、試合前のミーティングで「奈良県から来ました、ジョニー・デップです」とあいさつ。当時19歳が、強心臓からなる強烈なキャラクターを発揮し、チームのムードを盛り上げた。この日は「その辺はそっとしといてください」と発言ではなく、打棒で存在意義を証明することが最重要だとした。

 脳内のイメージはハリウッドスターではなく、メジャーリーグ屈指の強打者が色濃く焼き付いている。2月の宮崎キャンプ中に松井臨時コーチから、どんな打者になりたいかと問われ「ミゲル・カブレラが理想としているイメージです」と即答した。米メジャー・タイガースに所属し、12年に3冠王を獲得。デビュー15年で462発のスーパースターを挙げた。「プロに入ってからずっと見ています。パワーだけじゃない。全方向に本塁打が打てる。少しでも近づけるようにやっていきたい」と究極の理想として掲げる。

 刻一刻と迫る開幕の舞台もかすかに見えてきた。2戦連発弾を含む3打数2安打4打点も「アピールしないといけない立場なので調子がいい、悪いは言ってられない。昨日は打ったけど今日はダメだとならないようにしっかりと気を引き締めてやりたい」。2年連続の開幕スタメンには、名球会メンバーのベテラン阿部がライバルになる。立ちはだかる高き壁を越えるための挑戦は続く。【為田聡史】