打つだけが仕事じゃない! 1番遊撃で出場したソフトバンク今宮健太内野手(26)が、粘りの打撃でリードオフマンの仕事をこなした。1点を先制された直後の1回。先頭で打席に入ると菊池から10球粘って四球を選んだ。カウント2-2から4球ファウルでかわし、菊池に根負けさせた。その後は敵失などもあり、無死満塁から柳田の押し出しで同点ホームを踏んだ。

 1番定着を目指す今宮にとって、大きな成長ともいえる打席だったに違いない。「1番打者は難しい。特に(主催ゲームでは)守り終わった直後の打席だし、(打席への)準備の時間がないんですよね」。前日6日の西武戦も1番遊撃で出場。1打席目はあっさり投ゴロに倒れていた。

 侍ジャパンでは、4日の強化試合オーストラリア戦(京セラドーム)に9番遊撃で出場。2安打2得点の活躍を見せた。「9番の方がいい」と苦笑いを浮かべていたが、リードオフマンの自覚は忘れていなかった。

 昨年も開幕から12試合連続で1番に座ったが、それ以降は2番が定位置となった。昨季は先発1番で19試合に出場して5四球を選んだが、先頭打者での四球出塁は一度もなかった。打撃力アップを図って、攻撃的1番を目指しながらも「粘り」のリードオフマンの姿も垣間見せた。今宮は「ファウルでしっかり粘れた。地味に仕事ができたかな。(菊池)雄星だけじゃなくシーズンでもあることだし、よかったと思う」と自賛。村松外野守備走塁コーチも「1番打者としては最高の仕事」とたたえた。1番今宮がくせ者ぶりを発揮すれば、重量打線がさらに厚みを増す。【佐竹英治】