DeNA倉本が、横浜高の先輩として貫禄を見せた。4回2死一、三塁、8学年下の楽天藤平から1号3ラン。137キロの内角直球をたたくと、高く上がった打球は左から右への風に乗り右翼席最前列へ落ちた。「よかったんじゃないかな。やりたいことができているので、しっかり続けたい」。前の打席は藤平の好フィールディングで送りバント失敗。「あいさつぐらい」しか面識はないが、すぐにミスを倍返しした。

 打順は9番だが、オープン戦全9試合で安打を放ち、打率4割4分と打撃好調だ。昨年は4月まで打率1割9分5厘と出遅れただけに「何とか(シーズンに)よく入りたい。1年間安定してできるように」と意気込む。昨季後半戦でつかんだタイミングの取り方、ボールの見方を継続。「感覚的なことで字にできない」ほど微妙な差に、五感を研ぎ澄ましている。

 昨季は全試合遊撃で先発も、今季は大和の加入で1試合ごとに二塁と遊撃を交互に守る。二塁守備は「まだ2カ月しかやっていない。まだ勉強して、いろんなことを吸収したい」と発展途上だが、3回には横っ跳びで二遊間の打球を好捕した。攻守ともに、今季のキーマンだ。【斎藤直樹】