ヤクルトが小技を駆使して接戦をものにした。3回無死一塁には8番中村が初球にバスターエンドランで遊撃手の失策を招いて好機を拡大。広岡がきっちり犠打を決めると、山田哲が先制の中犠飛を打ち上げ、無安打で1点を奪った。

 1-1の8回無死一、二塁では、代打上田が初球にバスターを決めて右前に決勝適時打。続く藤井も無死二、三塁からしっかりと中犠飛を決め、一気に2点の勝ち越しに成功した。

 バスター、バスターエンドラン、犠打、犠飛といやらしい攻撃パターンで阪神との攻防を制した。小川淳司監督(60)は「いいゲームだった。うまくバント、バスターエンドランが得点に絡んだ。今日の能見は簡単に安打を打てない中で、ああいう攻撃ができたのは良かった。サインに忠実に普段やっていることができた」と、ベンチワークに応えた選手たちへの称賛を惜しまなかった。

 宮本ヘッドコーチは「ゲーム自体は一番今日が良かった。段階を踏んで、(小技を)できる選手とできない選手はいると思うけど、みんな必死にやろうとしていますよ。あと、9回(2死からの)荒木の安打は大きい。3人で終わって(9回裏に)すっと攻撃させるより、ストレスをかけて最後の攻撃をさせないと。1点差ですし、ああいうのも大事だと話をしました」と振り返った。