これが18年型虎打線の破壊力だ。阪神の新助っ人“闘牛”ウィリン・ロサリオ内野手(29=韓国・ハンファ)が、中日戦で待望のオープン戦1号ソロを放った。1回、左腕小笠原の5球目、内角141キロ直球に反応すると、打球は左翼スタンドに吸い込まれた。

 「(小笠原とは)対戦が2回目だったので、どんなボール、どんな球種があるのか、分かりながら入っていけた。自分なりにプランを考えて打席に入れた」

 前回に対戦した9日中日戦(甲子園)では、小笠原の前に3打席凡退していたが、同じ失敗は繰り返さなかった。なかなか1発が出なかっただけに、金本監督も「本人もホッとしていると思う」と喜んだ。

 チームにとって待望の1発は直前にも生まれていた。ここまでオープン戦2試合で4打数0安打だった“超人”糸井だ。3番に入った糸井は、小笠原の初球、外角直球を仕留め、左中間最深部へ1号ソロ。「しっかり振れたと思います」。パワーアップに取り組んできた男は、強烈アーチで助っ人大砲の復活弾につなげた。

 2人はキャッチボールの相手をしばしば務め、守備練習でもいじり合うなど、息の合うところを見せてきた。ロサリオはベースを1周し、ベンチに帰ると糸井と何やら意味ありげなポーズで、喜びを表現した。「糸井さんはプレーの仕方が合うというか、喜んだり、悲しんだり、怒ったり、いろんな感情を持って試合に臨むところが似ている」(ロサリオ)。闘牛と超人の異色コンビが猛虎打線の中核を担う。【真柴健】