中日、阪神、楽天の監督を歴任し、今年1月4日に膵臓(すいぞう)がんのため70歳で死去した星野仙一氏のお別れの会が19日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。球界内外から3150人が集い、別れを惜しんだ。

 阪神金本監督は「星野仙一氏お別れの会」に出席し、恩師との別れを惜しんだ。セ・リーグ他球団の監督とともに献花し、約5秒間、こうべを垂れて黙礼。「安らかに眠ってください、ゆっくりしてください、本当に優勝させてくださいというのを、それを本当に心から叫んでいました」と明かした。

 02年オフにFA宣言した際、阪神入りを導いてくれたのが闘将だった。16年の監督就任後も電話やメールで激励された。「星野さんに喜んでもらうためにも、勝ちたい。セ・リーグで阪神が優勝することが一番、星野さんが望んでいること。しっかりと喜んでもらえるように頑張っていきたい」と今季への思いを新たにした。

 会場で星野氏が指揮を執る写真が目に入った。「すごい男前な写真が飾ってありまして、僕はタイガース時代の写真をどうしても見てしまう。懐かしくてやっぱり寂しい。常にベンチで大声を張り上げて選手を叱咤(しった)激励している姿というのは何回、見ても思い出します」。今季開幕戦は星野氏が生涯ライバル視し、闘志を全開にした巨人が相手。「勝ちに向かって本当に、優勝しか考えていない。そこだけ見ていたい」とシーズンを見据えた。【酒井俊作】