中日3年目小笠原慎之介投手(20)が、初の開幕投手を決めた。ロッテ相手のオープン戦最終先発で3回1安打1失点。ディロン・ジー(31=ツインズ)と争っていた開幕投手レースに終止符が打たれた。「ものすごく課題が残った。悪くはなかったが、初回で修正できなかった。1球でも早く修正点を見つけられるようにしたい」。本人は反省しきりだったが、オープン戦4度の先発で20イニングを投げて3失点、防御率1・35と安定した数字を残した。

 森監督は開幕投手に関して、「3人には伝えてある。(防御率は安定しているが)0点のヤツもいるよ。まあ、明日投げる投手が(開幕投手を)辞めると言えば決まりだよ」と、これまでのように報道陣を煙に巻いた。その一方、この日、先頭打者2人に四球を与えた左腕を「彼らしい投球だ。反省して投げている姿を見せてもらった。目標を持ってやって欲しい」と評した。ライバルだったジーも、「ボクはいつでもいい。(開幕投手は)小笠原にとって、特別なものになる」と、18日の阪神戦で好投した後に、辞退発言もしている。

 小笠原もその気だ。「(まだ開幕投手は)言われていない。でも、ボクは投げたい。(そういう状況なら)ボクで決まりじゃないですか」。30日開幕の相手はリーグ3連覇を目指す王者広島。64年ぶりに誕生する中日史上最年少となる開幕投手が、コイ料理に挑む。【伊東大介】

 ◆中日・小笠原が30日の開幕戦(対広島)に先発すれば、20歳173日で迎えることになり、石川克彦が1954年(昭29)に記録した同196日を球団最年少記録を更新する。石川は岡崎から52年にプロ入り、53年に18勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得し、54年は開幕投手で完封勝利。この年、自己最多の21勝(9敗)を挙げて優勝に貢献した。