楽天美馬学投手(31)が開幕前最終登板で好投した。24日、巨人とのオープン戦(東京ドーム)に先発。6回4奪三振無四球に抑え、4安打2失点にまとめた。ロッテとの開幕カード2戦目に先発が内定している背番号15は万全をアピールし「前回までは直球を課題にしていたけど、直球が良くなっていた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 本来の持ち味を取り戻し、硬軟自在の投球を披露した。前回登板時の17日の広島戦では4回を投げ6個の三振を奪ったものの、4安打3四球2失点。自慢の直球に納得がいかなかった。この日は低めに球を集め、最速は147キロを計測し、手応えをつかんでいた。「直球で空振りもカウントも取れた。リリースの瞬間に力を入れることができた」。追い込めば変化球もさえた。2回までに奪った3個の三振はともに、120キロ後半のパワーカーブで仕留めた。バッテリーを組んだ足立祐一捕手(28)は「カーブは十分に決め球になるし、今日は真っすぐがアウトコースに決まって良かった」と太鼓判を押した。

 唯一の失点は6回に浴びた巨人吉川尚の2ラン。129キロスライダーを痛打され、思わずマウンド上で膝に手を当てた。この日唯一の失投をスタンドに運ばれた美馬は気を引き締めた。「高めに抜けたのが反省。走者がたまってからの投球を修正したい」。則本、岸、美馬で形成する3本柱の躍動なくして、優勝はない。169センチの体を目いっぱい使って、全身全霊で右腕を振る。【高橋洋平】