ロッテのルーキーコンビが2年ぶりの開幕カード勝ち越しをもたらした。1点を追う3回にドラフト2位の藤岡裕大内野手(24)がプロ初打点となる同点打。同4位の菅野剛士外野手(24)も開幕から3戦連続安打となる2点適時打で続いた。新人2人が計3打点を挙げる活躍。若い力を推進力に、井口ロッテが好発進した。

 ぎこちない笑顔が並んだ。藤岡裕と菅野がそろって上がった、ともに初めてのお立ち台。ファンの大歓声に迎えられる中、「緊張します…。こういう場に多く立てるように、頑張っていきたい」と同じフレーズに決意を込めた。

 打席では、そんな初々しさを感じさせない勝負強さをみせた。1点ビハインドの3回無死二塁。まずは藤岡裕が打った。外角低めの直球を右前にはじき返す同点打。「チャンスだったので積極的にいこうと。ボール気味でしたけど、何とか食らいつけてよかった」。1点を勝ち越して、なお1死二、三塁の絶好機では菅野が決めた。外角低めのフォークをたたき、投手の伸ばしたグラブをかすめて中前へ。「得点が欲しかった場面。飛んだところがよかったです」とうなずいた。

 社会人を経て入団した同い年。互いがいい刺激になっている。菅野が「前の打順でどんどん打って、勢いをつけてくれる。その波に乗っていけるので心強い」と言えば、藤岡裕は負けん気をのぞかせる。前日3月31日にプロ初打点を先に挙げられ「やっぱり悔しかった。これからも負けないように努力したい」と力を込めた。

 普段はあまり野球の話をしないという。それでも、言葉こそ違えど、同じ仕事を目標に掲げた。「勝ちにつながるヒットを打っていきたい」(菅野)。「チームが勝つために走者がいるときに、どれだけ打てるか」(藤岡裕)。ルーキーコンビの切磋琢磨(せっさたくま)がチーム力を底上げし、巻き返しへの上昇気流を生んでいく。【佐竹実】