BCリーグが開幕。ホーム開幕となった新潟アルビレックスBCは武蔵ヒートベアーズに6-7で競り負け、18年シーズンは悔しい黒星スタートとなった。3-5で迎えた5回2死一、二塁の場面で稲葉大樹一塁手(33)が右中間へ同点の2点二塁打。勢いをつけたチームは6回に6-5と逆転したが、再逆転を許した。両軍合わせて12投手を注ぎ込む総力戦を落としたが、ベテランの一打はチームを奮い立たせる。

 豪快な一撃だった。打球は右中間を越えていった。3-5と2点を追う5回2死一、二塁。3ボール2ストライクからの直球を5番稲葉が強振した。同点の2点二塁打。「諦めない。その気持ちが大事。技術は気持ちがなければ出せない」。チーム全体も諦めない気持ちを前面に押し出した。初回の4失点から2、3回にそれぞれ1点を返し、5回に同点。手痛い開幕戦黒星になったが6回には一時逆転する粘りを見せる。5投手の継投策で総力戦に持ち込んでいた。

 加藤博人監督(48)は「稲葉がよく打ってくれた。2点は大きかった」と話して続けた。「やはりベテランは必要」。BCリーグが創設された07年から新潟でプレーする“レジェンド”が稲葉だ。昨季は未踏のリーグ通算800安打(841安打)を達成し、5度目のベストナインに輝いた。「選手としては若手に追いやられるのは悔しい。いつまでも壁になっていたい」とベテランの意地を見せた。

 稲葉は野手コーチを兼任している。「経験は隠さない。リーグ12年在籍の財産を(若手に)置いていく」と若手を指導する。フリー打撃では投手役を務めるなど通常のチーム練習の中では自分の練習はままならない。「若いころより、1球に対する集中力は上がっている」。練習の不足分は自宅に帰っての素振り。始めたら20~30分はやめない。「自分が結果を出さなければ若手はついてこない」。この日は接戦を落としたが、ベテランが見せた気迫は今後、若手を奮い立たせる。【涌井幹雄】