日本ハムのドラフト2位、西村天裕(たかひろ)投手(24)が、驚きのプロ初勝利を挙げた。「全然、実感がないです」。初めて上がったお立ち台で、思わず本音が出た。インタビュー終わりに栗山監督からウイニングボールを受け取った。「監督から『おめでとう』と言われたと思うけど興奮しすぎて(言葉が)入ってこなかった」と苦笑い。「実家に送ります」と、大事にリュックにしまった。

 6回に3番手で登板し、1回1失点。その前に4回途中から井口が登板して1回1/3を2失点。先発の責任投球回の5回終了時点でリードを保っていたのは井口で、勝利投手の権利は「井口だと思っていた」。最終9回もリラックス状態で見守っていた。勝利決定直後に球団関係者から「初勝利だから」と告げられて「びっくりしました」と、初々しく笑みを浮かべた。

 今季の新人で唯一の開幕1軍スタートを切り、「毎日が勝負」と、腹を据えて臨んでいる。出身のNTT東日本の先輩にあたる清田に浴びた1発について「真っすぐが甘く入った。もうちょっと“1球”を大事にしていきたい」と反省も忘れなかった。プロ1勝目と同時に、身を引き締める財産も得たメモリアル登板となった。【木下大輔】