プロ5年目右腕・DeNA平田真吾投手(28)が、登板75試合目にして初めて先発に抜てきされる。明日11日の巨人戦(東京ドーム)での先発が決まり9日、横浜スタジアムで調整。これまで出場した通算74試合はすべて中継ぎでの登板で、75試合目は球団史上もっとも遅い先発デビュー。投手陣にけが人が相次ぐ中、リリーバーから配置転換で初勝利を目指す。

 照れくさそうにあいさつした平田は、拍手で迎えられ先発の輪に加わった。先発投手陣による指名練習。11日巨人戦での登板が決まった。伝えられた6日まで予想もしていなかった。「びっくりです」といまだに驚きは隠せない。これまでの74試合はすべて中継ぎ。先発に向けて「全力で1人1人勝負していきたい」と、静かに闘志を燃やした。

 先発マウンドは社会人野球ホンダ熊本時代までさかのぼる。13年11月3日、日本選手権2回戦に登板して以来約4年半ぶり。プロ入り後はまっさらなマウンドの経験は1度もない。「投げてみないと分からない部分が多い。中継ぎの1番手のような感じで入っていけたら」と、中継ぎで積み上げた経験を落とし込む。

 1軍スタートだった春季キャンプで2軍落ちし「靴1足分」の修正をしてきた。川村、大家両2軍投手コーチから指導を受け「フォームから教えてもらった。一番大きかったのは(踏み込む)足の幅。小さくしたことで体をうまく使えるようになって、球に力を伝えられるようになった」。分散していた力を効率的に球に伝えられるようになったという。

 先発テストだった3日のファームヤクルト戦では5回から登板。ドラフト1位ルーキー村上を二ゴロに打ち取るなど、4回無安打1四球無失点で“合格”した。「メチャメチャ緊張すると思います」と5年目の先発デビューを迎える。【栗田成芳】

 ◆初先発が遅かった投手 平田は通算74試合すべて救援登板で、75試合目が初先発。DeNAでは82年加藤英が通算73試合目に初先発というケースがあったが、平田はそれを上回ることになる。他に初先発まで登板を要した選手は、現役では10年山口鉄(巨人)173試合目、13年森福(ソフトバンク)200試合目などがいる。