DeNA山崎康晃投手(25)が、プロ4年目の最速タイで通算100セーブ目を挙げた。緊迫した点の取り合いで突入した終盤戦、9回のマウンドに上がり1点差を守りきった。日本人クローザーの入団から4年目での大台到達は史上初。4-3で巨人を下しチームを今季初の3連勝へと導いた。

 左翼席ファンが地声で奏でる「ヤスアキジャンプ」のコールに、気持ちは自然と高ぶった。マウンドに上がった山崎は心に決めていた。「自信があるボールを投げていこう」。2番吉川尚を151キロの直球で中飛。3番坂本勇には9球を配し、最後は真ん中低めギリギリの直球で見逃し三振を奪った。最後の大城には代名詞のツーシームで空振り三振。2つの球種で27球投げ100度目のセーブ。プロ4年目での大台は日本人史上最速での達成となった。

 味方が逆転した8回の攻撃。あこがれの選手で、交流もある巨人上原の登場に、準備をしていたベンチ裏からグラウンドまでのぞきにいった。「試合の流れを変えられてしまうような応援」と感じた。「僕自身不動のクローザーを目指す上で、応援を味方につけられる選手になりたい」。だからこそ逆境の展開で、上原を攻略した仲間に結果で応えたかった。

 今季開幕前、新球種「スラーブ」習得を目指した。「打者との間をつくる上で、キーになる球種」と試行錯誤。伸びのある直球と、沈むツーシームに加えて、新たな武器にと取り組む。見守ってきた木塚投手コーチは「何時間も前に来て準備をしてグラウンドに出ている。練習直前にパッと来て着替えて外に出るなんてことはもうない」。グラウンド内外での成長を認めている。

 山崎は「このチームに入れて、ベイスターズの仲間と戦えたおかげで僕がいる。この境遇に感謝したい。おごることなく続けていきたい」。身長178センチのハマの小さな大魔神は、次は101セーブ目を目指して9回を待つ。【栗田成芳】

 ▼通算100セーブ=山崎(DeNA) 10日の巨人1回戦(東京ドーム)で今季4セーブ目を挙げて達成。プロ野球29人目。初セーブは15年3月31日の広島1回戦(横浜)。25歳6カ月での達成は12年山口(DeNA)の25歳1カ月に次ぐ年少2位で、登板189試合は史上6位のスピード。実働4年での達成は6人目の最速タイだが、過去5人は外国人とメジャー経験者のマイケル(日本ハム)で、プロ経験のない投手が4年で達成したのは山崎が初めて。