日本ハム有原航平投手(25)が今日14日オリックス戦(ほっともっと神戸)で今季初先発する。右肩炎症で出遅れた右腕が、満を持してマウンドに上がる。チームは開幕から4カードを終えて、ちょうど勝率5割の4位。栗山英樹監督(56)から「必ずやってくれると思う」と期待される幻の開幕投手が、各チームとの対戦が一回りする節目に投入され、上位浮上の起爆剤となる。

 有原の18年シーズンが、ついに開幕する。13日、長く調整を続けてきた2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷から、今季初先発する舞台、神戸へ移動した。2軍での最終調整登板となった6日イースタン・リーグ巨人戦は、強風が吹き荒れる中で5回1失点。試合後には「もう(1軍で投げる)準備は出来ているので、チャンスがあればしっかり結果を残したい」と、力強く言い切った。中7日で任されたカード初戦へ、心も体も仕上げてきた。

 雌伏の時は70日間に及んだ。右肩炎症が判明したのが米アリゾナキャンプ2日目。日本時間2月3日のことだった。現地では約2週間のノースロー期間を過ごした。帰国後、春季キャンプ終了後の3月上旬に鎌ケ谷で投球練習を再開。順調に復帰へのステップを踏み、3月23日の2軍戦で実戦初登板。先発陣の大黒柱にならなければいけないポテンシャル、使命がある右腕は、1軍への段階を慎重に重ねてきた。

 栗山監督からも大きな期待をかけられた。神戸移動前に福岡市内で取材に対応した指揮官は「もともと、有原に開幕投手を任せようと思っていたんだから。信じて見守るしかない。必ずやってくれると思う」と、言葉に力を込めた。今日14日からのオリックス2連戦が、リーグ戦一回り目の最終カード。前カードのソフトバンク3連戦に負け越して勝率5割という状況でもある。チームも有原も、再出発に格好の1戦。連敗中の嫌な流れを変える役目を、幻の開幕投手が果たしてくれる。【木下大輔】