開幕3連敗の悪夢を豪快な一発攻勢で振り払った。日本ハムは今季新加入したオズワルド・アルシア外野手(26)が来日1号ソロを放ち、清水優心捕手(21)と中田翔内野手(28)がチームトップに並び立つ今季4号で続いた。2人のアベック弾は今月に入って3度目で勝率は100%。7-2で首位西武を制圧し、チームは再び貯金1となった。
16日前に味わった屈辱を、豪打で一掃した。中盤以降、日本ハム打線が、毎回のように得点を刻んだ。
3回に近藤の中前適時打で1点を先制し、迎えた4回だ。打席には、右肘の打撲から5試合ぶりにスタメン復帰した、新助っ人のアルシア。内角の148キロ直球を強振した。矢のような打球は、右翼席中段へズドンと着弾した。公式戦出場12試合目で飛び出した初アーチ。勝利への号砲を鳴らした背番号4は「本塁打が打てなくても焦りは一切なかったよ。自分はいい打球が出だしたら止まらない。これから、いっぱい出ると思います」と、得意げだった。
3-1と1点を返された直後の6回は清水がバックスクリーン左へ飛び込む2ラン、7回には4番中田が清水と同じような位置にアーチを架けた。チームトップに並び立つ4本塁打。2人のアベック弾は、7日ロッテ戦(東京ドーム)、10日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に続き、今月だけで3度目を数え、勝率は100%だ。清水は「一応、本塁打で並んでいるんですよね…オレなんかと」と苦笑いし「大将(中田の愛称)には、もっと打ってもらわないと」。観戦に訪れた母寛子さん(47)が見ている前では“初アーチ”を放った背番号10は、7投手の継投という難しいリードでも2失点と、大健闘だった。
対西武は、まだ1勝。開幕カード、本拠地で3連敗の屈辱は、完全には晴れていない。「やられるか、やっつけるかの勝負」と珍しく挑戦的な言葉を発した栗山監督は「開幕であれだけやられている相手に対しては、全員が一丸となってやるしかない」と、口元を引き締めた。勝負は、始まったばかり。「出だしはつまずいたけど(3連戦の)1戦目が取れたのは良かった」と中田。視線はすでに、次の試合へと向いていた。【中島宙恵】
▼日本ハムがアルシア、清水、中田の効果的な1発攻勢で快勝した。日本ハムのチーム本塁打数16本は、セ・パ12球団でトップ17本のソフトバンクに次ぐ2位で、以下、広島15本、巨人13本と続く。