オリックス山岡泰輔投手(22)が7回4安打無失点と好投し、今季2勝目を挙げた。序盤は三塁側から一塁側に吹き抜けた強風の影響で、曲がりすぎるスライダーの修正に苦心。3回で59球を要した。

 だが他に使える変化球も球威もあるのが、山岡の強み。カットボールでバットの芯を外し、最速149キロの速球で押し込んだ。先頭の岡島に二塁打を打たれた6回は、直球の決め球で藤田、茂木、アマダーを封じた。今季初勝利の15日日本ハム戦に続く無失点投球。「前回いい投球ができたので、これを続けていければと思っていました」と山岡が語った投球を、初バッテリーを組んだ山崎勝は「序盤は普段の山岡からすればいい状態ではなかったと思いますが、修正するのはさすが」と証言。調子がいいからゼロに抑えるのではなく、工夫して相手に点を許さない力を認めた。

 昨春キャンプ。チームの先輩にプロ1年目で目指す勝利数を問われ、山岡は7勝と回答。単なる目標ではなく、その時点での自分の実力を考え、7勝と答えた。冷静な自己分析に、質問した相手は「間違いなく即戦力」と確信したという。1つ多い8勝をマークし、この日でプロ10勝。「粘っていきながらチームの勝ちが増えていけばいい」と先発の責任を果たし続ける。

 「泰輔はよかったね」と福良監督は開口一番、山岡をねぎらった。打線も今季最多14安打、最多タイの8得点。2カード連続の勝ち越しで、4位タイに浮上した。「カードの頭を取りたいですね。ずっと負けているから」と次の目標も見えた。勝つべき人が勝てば、チームは上昇気流に乗る。【堀まどか】