左肩違和感で離脱していたDeNA今永昇太投手(24)が、ゼロから再出発する。今日24日、広島4回戦で今季初先発。23日、横浜スタジアムでの前日練習からチームに合流した。復活を期す今永は「先発ローテの椅子が用意されているわけではない。ダメなら他にいい投手はいる。自分の立場を奪い返す気持ちで、6人のローテにまた入っていきたい。帰ってきたという気持ちでいたら、それは僕の勘違い」と言い切った。

 昨季のチーム最多勝左腕が開幕から不在の中、若手投手がチームを躍進させた。19歳・京山が3連勝、ルーキーの東も2勝挙げた。白星こそついていないが飯塚は、先発した3試合すべてで試合をつくった。ウィーランド、浜口を含め先発3本柱離脱という危機的状況に直面しながら、若手台頭でチームは底上げ。首位を走る。下からの大きな突き上げに「自分の立場を確立させていきたい」。快進撃を続けるチームの力になれなかった自分を責めた。

 復帰のマウンドが、首位攻防戦初戦。昨季11勝で積み上げた実績と信頼の証しでもあるが、次がある保証はどこにもない。連覇中の王者をたたけば、チームを上げ潮に乗せるこれ以上ない舞台。「またゼロから築いていかないといけない。信頼を壊すのは簡単。『今永なら大丈夫』という信頼を得られるようなピッチングを見せたい」。白星の先にある信頼という2文字。なりふり構わず奪いにいく。【栗田成芳】