プロ野球広島の内野手で、国民栄誉賞を受賞した衣笠祥雄(きぬがさ・さちお)氏が、23日夜に上行結腸がんのため東京都内で死去したことが24日、分かった。71歳だった。

 阪神金本監督が「鉄人魂」の継承を誓った。24日、愛媛・松山で衣笠氏の逝去の報に触れ「何年か前から、体調が悪いというのは聞いていたんですけど、元気な姿とか見せていたので、良くなっているのかなと思っていた最中なので、ビックリしたのが正直あります」と話した。

 06年に連続フルイニング出場がカル・リプケンを抜いて世界記録の904試合に達すると、祝福の電話がかかってきた。新聞には「あなたが目指した方向が正しかった証拠です」というコメントも寄せてくれた。大記録が止まると「記録は途切れたけど、引き続き、プレーはプレーで頑張れよ」と言われ、胸に刻んだ。

 「俺が野球を見るキッカケになったのも、母がカープのキヌさんを好きになって」だった。浪人中の87年には予備校を休んで広島市民球場へ。連続試合出場世界記録のセレモニーを見に行った。「とにかく休まず出る、少々のケガでも出るというのはカープの時の衣笠さんという存在が大きかった」と振り返る。

 阪神を率いて3年目。「僕が継承するというか先輩方の思いを大事にしてやっていきたい」と誓った。