中日が記録的、屈辱的な大敗を喫した。20失点は04年5月3日のヤクルト戦(神宮)で20失点して以来、14年ぶり。巨人戦に限ると50年4月29日(水戸水府)の21失点以来、68年ぶりだった。

 「何も覚えてないよ。バスケット(ボール)でもやってたのか」。野球には似つかわしくないスコアに、森監督もジョークで屈辱を包むしかなかった。初登板の大野雄が先頭への四球から失点を重ねた。4回5失点。不振で開幕を2軍で迎え、やっと1軍切符をつかんだ左腕は「負けるべくして負けた。最後までバランスが直らなかった。責任を感じている。自分が長く投げていればこうなっていなかった」と肩を落とした。

 救援陣も悪い流れに拍車をかけた。笠原は1死も取れず6失点。群馬出身の三ツ間も2イニング目の先頭から3四死球で6失点。指揮官は「先頭に四球を出すとそのあとに何かがあるもの」とため息。キャンプ前に掲げたチーム方針「ストライクで勝負」を実践できない現状がある。20点取られても、同じ1敗ではある。深刻なのは今後の先発のやりくりだ。28日から9連戦が待つ。安定感のあるジーがこの日、血行障害の症状が出た右手の検査のため帰国。大野雄はジーの不在カバーを期待され、暫定的に中継ぎに回っている笠原も連戦中の先発復帰が見込まれていた。

 現時点の先発は小笠原、ガルシア、柳に登録を外れている松坂と吉見。そこに大野雄、笠原、または2軍から誰かを呼ぶのか…。森監督も頭が痛い。屋外球場では8戦全敗。5月上旬には8試合連続で屋外試合が待ち受ける。開幕して1カ月、竜投が早くも厳しい局面を迎えた。【柏原誠】