貫禄さえ漂うのが「日本ハムの3番」だ。近藤健介捕手(24)が「4割男」に舞い戻った。1-1の5回。1死一、二塁の好機で真ん中に甘く入った147キロの直球を痛烈に右中間フェンス上部に当てた。両手を振り上げ、決勝の適時二塁打を誇った。一方で打球はスタンドインまで、約30センチ届かず。「もう少しウエートしたいと思います…」と苦笑いした。

 7回無死一塁での右前打で打率は4割3厘。2試合ぶりに大台に戻った。4番中田の前を務めることで、つなぐ意識が増し安打量産へ。「1発で試合を決めるタイプではない。役割をしっかり意識している」。今季は相手球団の「近藤対策」が著しく「球が見えていない。差し込まれていた」と揺さぶられることもあった。打つポイントを前めにして、辛抱強く甘い球を待ち安打につなげている。

 単純明快な目標が数字に直結している。「1日1本」「甘い球をしっかり捉える」ことが根底にある。昨季は規定打席に届かなかったが4割1分3厘をマーク。25日オリックス戦で打率3割8分4厘に落としたが、一夜で3安打を重ね4割復帰。「日々の積み重ねが数字に表れてくる」と、調子のバロメーターとした。

 チームは今季2度目の4連勝。今季最多の貯金4を積み上げた。試合前のベンチで、この日が57歳の誕生日の栗山監督に「おめでとうございます」と伝えた。指揮官は「普段はそんなこというタイプではないのだけれど」と、勝利ととも喜んだ。立役者は「昨年はケガ(腰痛)で迷惑をかけた。しっかり打ってアピールしたい」。頼もしい3番が、勝利を呼び込んでいく。【田中彩友美】