阪神金本知憲監督(50)が2日、売り出し中の植田海内野手(22)を5月反攻のキーマンに指名した。スタメン起用した全3試合でヒットを放つなど、打率6割2分5厘、2盗塁と絶好調。持ち味の俊足&巧打で得点源となっている若虎のスタメンを継続し、勝率5割からの上位浮上を目指す。

 チーム最年少野手、22歳の若虎が5月逆襲のキーマンだ。この日のDeNA戦は雨天中止。金本監督は高卒4年目の植田の2番スタメン継続を明かした。

 「今の調子が落ちるまでは(スタメンで)いっていいんじゃない。(公称70キロの体重が)3キロくらい増えたらしい。体重も増えて、動きも逆に良くなって。いい体重の増え方をしていると思う」

 今季は50メートルを5・8秒で駆け抜ける俊足を買われ、プロ入り初めての開幕1軍切符をつかんだ。開幕後は勝負どころでの代走起用や守備固めとしての途中出場でチームの勝利に貢献してきた。

 与えられた出場機会で信頼を高め、チャンスをモノにしたのは4月29日の広島戦(マツダスタジアム)だった。2番遊撃で今季初スタメンを任され、6回に今季初安打をマーク。すかさず盗塁も決めた。そこから3試合連続でスタメン起用され、全試合でヒットを放つなど、8打数5安打で打率6割2分5厘の大暴れ。指揮官もニンマリだ。

 「だいぶ振れてきている。去年1軍に上がってきた8月くらいは全然振れなかったけど彼の努力と(練習に)付き合っているコーチがちゃんとやらせてくれているから。本当に去年の8月とは別人ですね」

 左右両打席から繰り出すバットの成長だけでない。持ち味の脚力に加え小技も兼ね備える。スタメン出場した3試合で四球を3つ、盗塁を2つ記録。犠打も1つ決めた。12打席で8度出塁するなど、2番の役割を存分に果たした。得点源となり3試合で2勝1敗に貢献した22歳の若虎に指揮官は新たな注文も出した。

 「もっとヒットエンドランとか、やっていきたいんだけどね。少々ボールでも転がしたりとか。当てる技術があるかどうか、まだわからんけど」

 植田本人も手応えを感じている。1日のDeNA戦ではプロ入り初めて甲子園でマルチ安打もマーク。「しっかりタイミングが取れた」と胸を張った。自信になるかと問われ「そうですね」ときっぱり。4ゲーム差で追う首位広島をとらえるべく、背番号62が燃えている。【真柴健】

 ◆植田の今季スタメン3試合 いずれも「2番・遊撃」。4月29日の広島戦で今季初先発し、6回に遊撃田中のグラブをはじく内野安打。ロサリオの打席で二盗も決めた。同30日の同カードでは10回先頭で安打出塁。広島バッテリーに盗塁を警戒させ、ロサリオは3球続いた真っすぐを狙いすましたように決勝2ランにした。5月1日のDeNA戦では、甲子園で初のマルチヒットとなる2安打。初回には二塁打で出た先頭上本をきっちり送り、糸井の先制タイムリーを呼び寄せた。