ラミちゃん采配が見事にはまった。DeNAがともに今季最多の18安打12得点で乱打戦を制し、連敗を4で止めた。1軍昇格即スタメンのネフタリ・ソト内野手(29)が本塁打を含む2安打2打点。今季初の6番を託された倉本寿彦内野手(27)は猛打賞を決め、約1カ月ぶりに7番に座った大和内野手(30)は4打点を挙げた。アレックス・ラミレス監督(43)の思い切った起用が的中し、巻き返しへ再スタートした。
連敗中の鬱憤(うっぷん)を晴らすように打ちまくった。不振がうそのような波状攻撃で4回までに14安打。ラミレス監督は「打線の調子がよくなかったので、何かを変えないといけない。そのタイミングがうまくいった」とうなずいた。
勝つために動いた。今季は機動力やバントなどを重視したスモールベースボールを掲げてきたが「攻撃的にいく」と決断した。ここ5試合の総得点はわずか7。「(犠打で)1つのアウトを犠牲にしてチャンスを作っても、うまくいかないところがあった」。2軍でクリーンアップを務め、6戦で打率4割5分、3本塁打8打点のソトを昇格即、2番に抜てき。試合前には「バントはない。とにかく積極的にいけ」とだけ伝えた。制約を外し、打たせることで打開を図った。
その判断が的中した。1回先頭の桑原が出塁すると、ソトが1軍ファーストスイングで先制の二塁打。「2番と言われた時は少し驚いたけど、筒香とロペスの前。こんな楽しいことはないと思った」。3回にはバックスクリーンへ1号ソロ。見事、起用に応えた。
打順が動いた男たちも躍動した。今季初めて6番の倉本は「9番でいろいろ考えてやってきたことが生かされたと思う。思い切っていけました」と猛打賞。大和は、これまでの2番から約1カ月ぶりに7番を託され「気持ち的に楽になった部分はあったので、積極的にいきました」。得点圏での二塁打2本&三塁打で4打点を積み上げた。
積極性がつながりを生み、18安打で12得点。1日で勝率5割に復帰した。してやったりのラミレス監督は「これからの戦略を練る中で、攻撃のオプションが1つ増えた」と手応えを口にした。次戦は敵地での首位広島戦。「この勢いを広島に持って行ける。ここからがまた始まり」。5月反攻へ、指揮官が采配で打線を目覚めさせた。【佐竹実】