青森大が延長タイブレーク(10回無死一、二塁から開始)の末に富士大(岩手)を5-2で下し、6連勝を阻止した。11回に相手失策から3点を勝ち越し、投げては7回から登板した2番手の小谷真勇(まお、2年=大湊)が5イニングを無安打無失点と粘った。負ければ自力優勝が消える一戦で、リーグ通算2度目の登板で初勝利を挙げた右腕は「球が走ってなかったけど、自分のペースで投げられた」と汗をぬぐった。

 己の原点を胸に戦った。小谷は高3夏の青森大会で、大湊の主戦投手として準優勝に導いた。最後まで粘り強くあきらめずに戦う姿は「下北魂」と称賛され、感動を呼んだ。この日は延長10回2死満塁で本領発揮。一打サヨナラの場面で、相手4番の佐藤龍世内野手(4年=北海)を外角低めのボール球で一飛に抑え、流れを呼び込んだ。「リーグ戦のベンチ入り自体がこの春から。だから富士大のイメージがあまりなかった」。動じることなく、余裕の表情でピンチを乗り切った。

 8連覇中の富士大とは星を分け合い、5勝1敗で並んだ。次週は6連勝で単独首位の八戸学院大と青森ダービーで激突する。マグロで有名な大間町出身の小谷は壮大な決意表明を行った。「大間のマグロのように、全国で輝きたい。目の前の試合を1つずつ勝っていくだけ」。地元名産のごとく、一級品の活躍を続ける。【高橋洋平】