巨人に天敵が生まれつつある。中日左腕ガルシアに来日初完封を献上した。得点のにおいをかげたのは2度だけ。初回、坂本勇が安打と盗塁で無死二塁をつくるも三塁以降に進むことができずに3者連続凡退。苦しい戦いが始まった。

 190センチの長身から140キロ台中盤の速球が汚く動き、チェンジアップの抜けも抜群。力感のない独特なフォームも惑わされる。6回2安打1得点に抑えられた4月4日の前回対戦時は荒れ模様で5四球を得た。だがこの日は安定感もあり、3四死球。道中に好機はなく、終着目前の8回1死満塁でゲレーロが得点圏7打席連続凡退となる三ゴロ併殺打で得点の芽はつまれた。高橋監督は「適度に荒れた中で力のある球を少し動かされた。前回と大きく変わった点はないが対応できなかった」と振り返った。

 チーム打率リーグ1位の打線も助っ人先発相手に分が悪く2勝5敗。ガルシアは象徴的な存在になりつつある。3連勝で小休止となった。唯一、2安打を放った坂本勇は「3回目はやられないようにしたい」と肝に銘じるように再戦へ切り替えた。【広重竜太郎】