阪神金本知憲監督(50)は今季5戦負けなしだったDeNAに完敗し、表情に怒りをにじませた。ドラ1左腕東が投じる140キロ中盤の強い直球、腕を振ったチェンジアップのコンビネーションに大苦戦。1回に1死二塁として以来、9回まで二塁ベースすら踏めなかった。プロ初完封を献上し「先週からずっとやな。(取って)2点までか」と打線の低調ぶりを嘆いた。

 8回終了時点で福留の左前へのラッキーな1安打のみ。5点を追う9回に2者連続安打が飛び出したが、時すでに遅しだ。チームは6試合連続で2得点以下。その間、ロサリオが24打数1安打の絶不調では勢いに乗れるはずもない。R砲はこの日も4打数無安打。5番に打順を落とし、左足を上げるフォームに改造後も状態は上向かない。それでも指揮官が「代わりもおらんしな」と話す通り、我慢の起用を続けざるを得ない状況がつらい。

 守っては1回、4回と失策が失点につながった。チーム22失策はリーグで2番目に多い。9回表、大和に安打を許した直後にはペットボトルやメガホンが右翼芝生に投げ込まれる場面もあった。チームが乗っていくためには野手陣の奮起が-。金本監督は「そりゃあ、そうでしょう」と力を込めた。頼みのロサリオが長いトンネルを抜けるまで、総力戦で乗り切るしかない。【佐井陽介】