DeNA筒香嘉智外野手(26)が、2試合連続弾となる先制V弾を放った。1回2死一塁、左翼スタンドへ8号2ランを運んだ。通算146本の本塁打を放っているが、2試合連続での左方向は自身初。今カードからスタンスを開いたフォームに変更し、結果に結びつけた。リードを守り抜いたチームは5-1で勝利。4番が役割を果たし、再び3位に浮上した。

 オレンジと青のコントラストが映える左翼スタンドに、筒香の先制2ランが飛び込んだ。1回に巨人田口の直球を「自分のポイントで捉えることができた」。2試合連続となる4番の一振りは、巨人ファンとDeNAファンが隣り合う左方向へアーチを描いた。空砲に終わった前夜とは打って変わって、先制弾がそのままV弾となった。「チームが勝てたこと。自分どうこうより、それが一番」。

 打球方向が、調子を測るバロメーターになっている。通算146本のうち、2戦連続の左方向は初めて。「強い打球が右方向ばかりにいっていたら、それは嫌だ。あれができているということは、ボールをうまく見えているということ」。引きつけた球を見極め、フルスイングした。巨人菅野から前夜に打った球も直球だった。いずれも振り遅れることなく、スタンドに運べたことに好感触を得た。

 13試合60打席、1発が出なかった間、暗中模索の日々が続いた。8日、マツダでの広島戦。雨天中止が決まると、チームバスに乗らずブルペンに閉じこもってバットを振った。30分後「メシ食ってました」とうそぶき、額に汗かきながら球場を後にした。

 復活を願うラミレス監督が、15日の阪神戦(甲子園)から4番に配置転換した。その意味を「いろんなメッセージがあると思う。受け止めてやっていきたい」。取り組んできた棒立ちの新フォームではなく、スタンスを開く構えに今カードから変更した。前日の試合前、監督に直接伝え、結果に結びつけた。「また打てるように頑張るだけ」。筒香の打棒と一緒に、チームも上げ潮に乗っていく。【栗田成芳】