首位の西武は、オリックスの継投に三塁を踏めないまま敗れた。先発田嶋に7回まで投げられ、散発4安打。辻監督は「球が速くて、内を狙ったのが外への力がある逆球になっていた。的が絞りづらかった。ベンチから見るよりも、打席の方がスピードを感じたのかも」と分析した。前回4月7日の初対戦では4回途中6失点でKOした新人左腕に、やり返された。

 確かに田嶋は良かったが、西武打線の状態も悪い。今季5度目の完封負けを全てこの2週間で喫している。2位に6ゲーム差をつけた6日時点までは、30試合で計201得点。1試合平均6・7点を奪ってきた。この2週間は9試合で計18得点。1試合平均2点と、大きく下げている。

 9試合のチーム打率は2割1分4厘。湿ってはいるが、ソフトバンク千賀、石川、日本ハム上沢ら、実力者に好投されたのも事実。辻監督が「いい投手がくれば、そうは打てない」と言うように、やむなしの面もある。同監督は「波はある。相手があること。自分たちで解消するしかない」と強調。カギとなる言葉を主砲の山川が残した。

 山川 ホームランは出る日、出ない日がある。四球だと思う。ビッグイニングは四球が多い。追い込まれてからもつなぐ意識。今は自分がとなっているので、もう1度頭を整理したい。

 リーグトップ162四球を選んでいるが、6日までの1試合平均4・4個が、この9試合は同3・4個。ちょうど1試合で1個、減った。“山賊打線”の怖さは1発だけではない。四球を絡めながらつなぐ攻撃を復活したい。【古川真弥】