5年目で真価を発揮し始めた。ソフトバンク13年ドラフト1位の加治屋蓮投手(26)が中継ぎで好投を続けている。初めて開幕1軍入りし、18試合、15回2/3を投げ防御率0・57。最速153キロの直球を生かす、140キロ前後の高速フォークボールへの思いを語った。【取材、構成=石橋隆雄】

 

 加治屋がヤフオクドームのマウンドに上がる時、英国のシンガー・ソングライター、オリー・マーズの「Wrapped UP」が流れる。エンゼルス大谷が日本ハム時代から打席に入る時に流れる曲と同じだ。

 加治屋 初めは別の曲にするつもりだったんですが、ほかの選手とかぶってしまって。大谷君が使っていたのは知ってました。打席入る時の映像見ても純粋にかっこいいなと。ちょっと力をもらおうと思って。

 大谷同様、加治屋にも高速フォークボールの決め球がある。

 加治屋 社会人3年目に左足のスネを痛めてリハビリしていた時に、腕を振って落ちる球、フォークを増やそうといろんな握りを試しました。握りも直球に近い。そこまで深く挟んではいない。直球が150キロを越えているなら、140キロくらいでより直球に近くて落ちればと思っています。

 進化したのはどこか。

 加治屋 空振りが取れる。低めのゾーンに投げられるようになったことが一番大きい。社会人の時はバットの芯を外すイメージで投げていたが、プロでは三振を取る球になりました。完成度は50~60%ですが。

 ここまでは右打者との対戦が多いが、今後は対左打者も増えてくる

 加治屋 左打者の外角に落としたいと思う時は中指側へ指1本分ずつずらして、人さし指に力を入れてシンカーのように投げることもあります。理想はヤンキース田中投手のようにスプリットとフォークを使い分けられるようになりたい。

 信頼感も高まっている。

 加治屋 (今の救援陣で)森、モイネロ以外で真っ先に名前が挙がるのはうれしい。まずは1イニングをしっかり任される投手になれるようにしたいですね。

 

 ◆加治屋蓮(かじや・れん)1991年(平3)11月25日、宮崎・串間市生まれ。福島高からJR九州を経て、13年ドラフト1位でソフトバンクへ入団。血液型B。16年11月に結婚。17年4月に第1子となる女児をもうける。昨季は2軍で42試合に登板し15セーブ。身長184センチ、体重85キロ。右投げ右打ち。