これぞイニエスタパワーだ! 試合前セレモニーでスペイン代表MFイニエスタと握手をした楽天渡辺直人内野手(37)が、1点リードの8回裏2死一、二塁の場面で値千金の適時三塁打を放った。オリックス沢田の外角145キロ直球を右中間へ。「かなり足がもつれました(笑い)」となんとか三塁へ到達。チームのリードを3点に広げ、岸の今季4勝目(1敗)を大きくアシストした。

 4万4297人の観衆を集めた、年に1度の東京ドームでのホームゲーム。試合前セレモニーにサプライズで登場したのは、サッカーJ1ヴィッセル神戸入りが発表されたばかりのスペインの至宝だった。ベンチ前での記念撮影で世界的MFの隣に陣取り、肩に手をかけてもらい、撮影後にはちゃっかり握手までしたのが渡辺直だった。

 「隣にいた? たまたまです」と照れながら話したが「今日は本当に勝たなきゃいけない試合。たくさんの人に応援もしてもらって結果が出て良かったです」。三木谷オーナー&イニエスタが観戦した“御前試合”で、2年ぶりの三塁打を放つハッスルぶりに笑顔が止まらなかった。

 チームは連敗を3でストップ。渡辺直自身も先月13日西武戦以来、1カ月以上もご無沙汰だった安打に「良い場面で使っていただいて、なかなか結果がでなくて…。悔しい思いもしていたんですけど、こういう場面でまた回ってきて打てて良かったです」と喜びをかみしめた。【千葉修宏】