西武秋山は初球を振り抜いた。2点を追う6回2死一、三塁。ソフトバンク嘉弥真の肩口からくるスライダーをバックスクリーン右横へ突き刺した。逆転の7号3ランに「2アウトからつないでくれた」と、2死走者なしからお膳立てした炭谷と金子一に感謝した。

 発奮材料ができている。2日前の今カード初戦、自主トレをともにする金子一が5年目でプロ初安打となる初本塁打を放った。打席に入る直前、秋山は「一点ばかり見ないでスタンドを見て」と助言し、肩の力を抜かせた。結果を出した金子一は、前日から続けて9番三塁でスタメン出場。その後輩が回してくれた好機を無駄にするわけにはいかなかった。「前(9番)じゃなくて、もっと良いところで活躍して欲しいけどね。頑張ってきたものが出せているのは、すごい」と冗談めかしつつ、喜んだ。

 秋山の1発が打線に火を付け、終盤も猛攻が続いた。今季最多の17安打で、6日以来の2桁得点となる12点を奪い、カードを勝ち越した。ヤフオクドームでの3連戦勝ち越しは15年4月以来。昨季は1勝しか出来なかった鬼門を突破し、辻監督は「久々に、うちらしくつながった」と満足げ。苦しい試合が続いていたが、首位にふさわしい勝利を挙げた。【古川真弥】