巨人が今季初のサヨナラ負けで4月23日以来となる4位に転落した。8回に長野の4号同点2ランが出て、救援陣も奮闘した。だが勝利に結びつかない要因は、昨季左腕エースの地位を確立した田口の不調だ。

 2点のリードを受けた2回1死。大山の右前打から歯止めが利かなくなる。江越の左翼線二塁打はゲレーロの適時失策も絡み、打率1割台の梅野の同点適時打までつながってしまう。3回も大山の適時打、4回は投手小野の右前打を起点に4点目を失った。「結果球が甘かった」。これまで直球は140キロ前後も突く制球の良さとスライダーのキレで勝ち抜いてきた。だが今は勝負球で甘くなり、スライダーの曲がりも小さく、打者に見切られてしまう。

 「高さという部分では良かった」。リーグワーストタイ10被弾の課題は解消しつつある。「打者の狙う球を観察して捕手任せにならないように。走者を出してから丁寧に」。打者との駆け引きの妙もあり、のし上がってきた。感覚を取り戻せば、今季被打率3割3分7厘が昨季の同2割4分9厘に近づく。高橋監督は「なかなか調子が上がってこないが、頑張ってもらわないといけない選手」と復調を信じる。勝率5割に逆戻り。反転攻勢に左腕の復活は必須だ。【広重竜太郎】